インタビュー花咲くいろは

花咲くいろはスペシャルインタビュー第25回

――月刊「ガンガンJOKER」でコミック版『花咲くいろは』を連載中の千田先生ですが、コミック版で始めて先生のことを知った方もいらっしゃると思います。そこでまずはプロフィール的なことを聞かせていただければと思うのですが、小さい頃から漫画家を志していらしたのでしょうか?

千田:
漠然とですけれども、なれたらいいなと思っていました。でも実際に漫画を描こうと思ったのは大学に入ってからなんですよ。もともとはイラストレーターになりたいと思っていました。

――何故、漫画を描いてみようと思われたのですか?

千田:
ずっと好きだったサイトの管理人さんが、「ガンガンPOWERED」(『月刊少年ガンガン』増刊 2001年3月~2009年2月まで発行)に4コマを投稿されていて勝ち抜いていたんです。それを見て「すごい!!  私もやってみよう」と思い、大学2年生のときに同誌の4コマ漫画勝ち抜き投稿企画に応募したのがきっかけです。
ありがたいことに掲載していただいて……。そのときは掃除をする部活の漫画を描いていました。結局あまり掃除は関係なかったんですけれども(笑)。

――ちなみに憧れていたサイトの管理人さんというのは……。

千田:
今「ガンガンONLINE」で『生徒会のヲタのしみ。』という4コマを連載されている、丸美甘(まるみかん)先生です。去年スクエニさんの忘年会で、「丸美甘さんに憧れて私も漫画を投稿したんです」と、ご本人に告白しました(笑)。あれはちょっと感動しましたね。
あと好きな漫画家さんで言えば、『王ドロボウJING』などを描かれている熊倉裕一さんや、「月刊少年ガンガン」「週刊少年ジャンプ」などの少年漫画の作家さん。私の絵柄はよく少女マンガっぽいと言われるのですが、昔からよく少年漫画を読んでいたんですよ。まさか自分がガンガンコミックスのカバー裏(ガンガンコミックスではカバー裏にオマケが描かれている場合が多い)を描くとは思わなかったですけれども(笑)。

――なるほど(笑)。千田衛人というペンネームは、何か由来があるのでしょうか?

千田:
『花咲くいろは』を描く前、『ちびかの』(読切4コマ作品)などのときは08(ゼロハチ)というペンネームを使っていました。これは本名を少し変化させたものなのですが、“衛人”(えいと)というのは、その08からきています。千田は、ひらがなで書くと字画がいいなと思ったのと、ちょうどそのとき描いていた4コマのキャラクターたちの名前が、JR横浜線の駅名から取っていたので、じゃあ私も駅名からと思い、町田駅の“ま”を取って“ちだ”にしたんです。

――電車がお好きなんですか?

千田:
マニアというほどではないですけれども好きですね。コミック版『花咲くいろは』では、あまり描くことがなくて少し寂しいのですが(笑)、もし機会があれば、見開きで電車や駅のシーンを描いてみたいです。……でも、それって最終回っぽいですね。あとさらに言うなら、電車というより駅、もっと言うなら駅名の書いてある看板が好きです(笑)。

――1クール目のオープニングの最後のような感じだと、確かに最終回という感じかもしれませんね(笑)。そのコミック版『花咲くいろは』ですが、どういう経緯で描かれることになったのでしょうか?

千田:
それについては隣にいる湯本さん(ガンガンJOKERの編集さんで千田先生の担当)のほうが、詳しいと思うのですが……。

湯本:
編集部に『花咲くいろは』という作品のコミカライズをというお話があったんです。そこで編集部で、作品のイメージに近い作家さんを探していたのですが、そのとき千田先生は、阿部憂貴先生の小説『らくがきメール』の挿絵を描かれていたんです。その雰囲気がとても良くて、千田先生にお願いできればと、お話をさせていただいたのがきっかけですね。

――まずは資料として先に何点かイラストをあげていただいたんですよね。

千田:
はい。そのときは岸田さんが描かれた緒花、民子、菜子の3人と、あと1話の脚本をいただいて、同じく緒花、民子、菜子の3人の立ち絵と表情を何点か。あと緒花が東京から喜翆荘に来る直前のシーンなど、何場面かのネームを描かせていただきました。

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緒花、民子、菜子のラフ画(カケアミ+トーン)。

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連載前のネーム。

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作画ラフ(カケアミ+トーン)。